大判例

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仙台家庭裁判所 昭和46年(家)1265号 審判

〔主文〕被相続人姜忠良の遺産である別紙目録記載の土地を申立人大山まゆみに与える。

〔理由〕申立人は、主文同旨の審判を求め、その実情として別紙記載のとおり述べた。

よつて、判断するに、<証拠略>によれば、

被相続人は、昭和一七年ごろ、申立人と事実上結婚し、昭和三七年一一月二一日死亡するまで夫婦として円満に生活し、申立人の協力により昭和三四年一月五日本件土地を買受けたものであり、本件土地は申立人が昭和二三年以来居住している申立人所有の住居の敷地の一部であること、被相続人は日本国内において申立人以外にみよりがなく、本国に親族がいるか否かも不明でり、申立人と同棲中本国と一度も文通したことがないことが認められる。そして、右記認定の事実によれば、申立人は民法第九五八条の三に定める被相続人の特別縁故者に当ることが明らかである。ところで、法例第二五条により、本件不動産の相続につき適用されるべき被相続人の本国法である大韓民国民法第一〇五八条によれば、「相続人のない財産につき相続権を主張するものがないときはその相続財産は国家に帰属する」ものとされているので、同法を適用すれば本件不動産は国庫に帰属すべきものとなるが、多年事実上の夫婦として生活し、その内縁の妻の協力によつて取得し、その妻の住居の敷地の一部であるものまで国庫に帰属すべきものであるとすれば、その妻にとつて余りに酷といわねばならず、内縁が保護されている日本国内の公序良俗に反するものといわねばならないい。したがつて、法例第三〇条により、本件不動産の相続については大韓民国法を適用しないで、日本民法を適用することとし、同法第九五八条の三の規定に則り、本件不動産を申立人に分与するのが相当と思料するので、主文のとおり審判する。 (若林昌子)

別紙

申立の実情

一、申立人は大東亜戦争前から被相続人の内縁の妻として申立人の肩書住所に同棲し共同生活を営んでいたものである。

二、被相続人は昭和三七年一一月二一日死亡したが申立人と被相続人との間には子がなかつたので現在申立人は独り暮しをしているところ被相続人は生前常日頃申立人の所有名義に変更してやると言つていたがその実現をせず死亡してしまつた。申立人としては被相続人の遺産で安定した老後の生活を送りたいと考えるので、被相続人と特別の縁故関係にある申立人にこれを分与されるよう本件申立におよんだ次第であります。

三、被相続人の遺産である

仙台市○○二一九番の二

一、宅地 二一坪三合二勺

同所二一八番地所在

家屋番号同町四〇〇番

一、木造亜鉛メッキ銅板葺平家建居宅一棟

建坪一四坪七合五勺

については御庁昭和四〇年(家)第二七号特別縁故者への相続財産の分与申立事件において申立人に分与する旨昭和四〇年四月一三日審判せられておりますが、申立人は右申立当時他に被相続人の遺産はないものと信じていたところ、本件別紙被相続人の財産目録記載の不動産が被相続人の遺産であることが判明したので本件申立をする次第であります。

別紙

不動産

仙台市○○丁目

二二三番の一四

宅地三〇、五四平方メートル 以上

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